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個人再生:住宅資金特別条項

住宅資金貸付特別条項を利用する債権者は,この画面に一覧表示されます。

住宅資金貸付特別条項を使う場合は,住宅資金を貸し付けた金融機関が必要な計算を行い書類を作成します。そのため,サイむ整理くん側は,住宅資金貸付条項別紙のみが作成できるようになっています。

この画面に入っていない場合は,個人再生の債権者一覧で、住宅資金貸付特別条項を利用する債権者の区分を「住宅資金貸付」に変更してください。住宅資金特別条項タブを選ぶと、区分が「住宅資金貸付」の債権者のみが一覧表示されます。

住宅資金貸付特別条項のシミュレーション

金融機関に住宅資金貸付特別条項を使う旨申し出る前に,事前にシミュレーションを行うことが可能です。(ただし,ここでの計算は簡易計算です。この計算結果と銀行側の計算が同じになるわけではありません。)事前のシミュレーションを行い,住宅資金貸付特別条項の何条を使うのかを決めます。

一覧から情報を見たい(更新したい)債権者の行をダブルクリックするか、あるいは選択してから詳細ボタンを押します。

債権者名:確認用に住宅ローンを提供している会社名が表示されます。

物件目録番号および抵当権目録番号:このソフトでは、物件目録と抵当権目録は作成する機能はありません。ワープロ等で別途物件目録と抵当権目録を作成してください。ここでは、対象となる住宅ローンが、作成した物件目録や抵当権目録内のどの番号の物件なのかを指定してください。

返済額および方法

住宅ローンの返済に関する情報を記入してください。住宅ローンは長期にわたるため,すべての情報を入力することは大変です。そこで,サイむ整理くんでは,近似的な方法で,住宅ローンの全体像を把握します。返済額および方法のところに,約定で決まっている毎月の返済額やボーナス時加算額を入力してください。

再生計画決定時点での金額

住宅資金特別条項を使う場合、提出する書類には、再生計画が決定した時点での状況および返済方法を記入する必要があります(何月何日に再生計画が決定するのか予想で決めてください。)

住宅ローン残高:実際の滞納額は、未払返済に記入するので、ここでは、滞納がなかったと仮定した場合の再生計画決定日時点での住宅ローンの予想残高を記入します。

未払返済額:住宅ローンの返済期日が到達していて、実際にローン会社に支払っていない金額を記入してください。ここでは延滞利息は含めないでください。

遅延損害金:ここに延滞利息(遅延損害金)の大体の額を記入します。

遅延損害金がわからない場合は,「未払額・損害金計算」ボタンを押して,サイむ整理くんに計算させることもできます。

未払い返済額および遅延損害金は、「未払額・損害金計算」ボタンを押して計算させることも可能です。

たとえば、毎月の返済額が10万円、ボーナス時返済が60万円、毎月25日に支払い、ボーナス時支払いは1月と7月とします。住宅ローンの利率は4%、延滞利息は14%とします。平成15年1月分から返済が滞り、その後個人再生を申し立て、再生決定が平成15年7月10日を予定している場合の未払返済額と遅延損害金を計算するとします。

滞納を開始した時点(平成15年1月25日)での住宅ローン残高を記入します。ここでは1700万円と仮定してします。

「計算」ボタンを押すと、未払い返済額の合計と、遅延損害金が計算されます。なお、遅延損害金は期限の利益の喪失はなかったものとして計算されます。OKボタンを押すと、この画面が閉じられ、未払い返済額合計と遅延損害金が記入されます。

未払い返済額の合計と遅延損害金は以下のようにして計算されています。

平成15年1月25日時点での住宅ローン残高は1700万円
平成15年1月25日に返済する額 10万円+60万円を未払い
平成15年2月25日に返済する額 10万円を未払い
平成15年3月25日に返済する額 10万円を未払い
平成15年4月25日に返済する額 10万円を未払い
平成15年5月25日に返済する額 10万円を未払い
平成15年6月25日に返済する額 10万円を未払い

まず、住宅ローン残高を月々の返済分とボーナス時返済分に分けます。月々10万円・ボーナス時(年2回)60万円なので、住宅ローンの50%を毎月元利金等払いで返済し、残りの50%とボーナス時(年2回)で元利金等払いするとします。

平成15年1月25日での月割賦分の残高は、1700万円×50%=850万円です。1月25日に返済する月割賦分の10万円のうち、利息分は、850万円×利率4%÷12=28333円(1円未満切捨て)となります。元本充当額は10万-28333=71667円になります。一方、1月はボーナス分も支払うのにで、同様に利息と元本充当額を計算します。850万円×利率4%÷2=17000円が利息で、残り43万円が元本充当額になります。

同様に2月の返済分のうち利息分は、(850万円-71667円)×利率4%÷12=28094円、元本充当額は10万円-28094円=71906円となります。

次に遅延損害金について計算します。1月25日に返済する元本分(71667円+430000円)は、再生計画決定の時点まで支払いがないわけですから、1月25日から7月10までの日数をカウントし、それに延滞利率をかけて遅延損害金を決定します。

まとめると以下の表になります。

日付 月返済 利息分 元本充当分 延滞日数 延滞利息 ボーナス 利息分 元本充当分 延滞利息
1/25 100000
28333
71667 166 4563 600000 170000 430000 27378
2/25 100000 28094 71906 135 3723        
3/25 100000 27854 72146 107 2960        
4/25 100000 27614 72386 76 2110        
5/25 100000 27372 72628 46 1281        
6/25 100000 27130 72870 15 419        
7/10 100000 13259         146807    
合計 600000 179656 433603   15056 600000 316807 430000 27378

最後の行(7/10)は、利息の日割り分を記入しています。

未払返済額(元本+利息)は、緑のセルの値を合計した値になります。

遅延損害金は、赤のセルの値を合計した値になります。

遅延損害金や未払い返済額の額は、金融機関によって、支払日が休みであった場合の扱いや、1円未満の端数の扱い、うるう年の扱いが異なるため、ここでの計算とは多少の誤差があります。

返済シュミレーション

続いて、返済方法のシミュレーションと住宅資金特別条項別紙印刷を行います。

「返済方法の詳細」タブを押して、以下の画面を出します。

最初に、返済方法について選択します。

通常型(法199条1項) 199条1項に従って、3年または5年で未払返済額と遅延損害金を分割して返済する場合は、これを選びます。
延長型(同2項1・2号) 住宅ローンの最終返済期を延長する場合は、これを選びます。
弁済期間中減額(3号) 再生計画の弁済期間中は、他の債権者への返済を優先し、住宅ローンの元本返済を減額する方法です。

延長型・弁済期間中減額型を選ばれた場合、最終弁済期における再生債務者の年齢を確認してください。このソフトでは、年齢チェックは行っていません。

通常型を選ばれた場合は、未払返済額と遅延損害金を何年(何ヶ月)で分割して支払うのか指定してください。

延長型を選ばれた場合には、延長期間を入力してください。

弁済期間中減額を選ばれた場合には、延長期間と、弁済期間中に住宅ローンを年額いくらなら支払えるか記入してください。

また、ボーナス併用で分割弁済をされる場合は、年間支払いに対してボーナスでの返済をどの程度の割合で行うのか入力してください。

「試算する」ボタンを押すと、再生期間中(弁済期間中)と、再生期間終了後の月々の返済額が試算されます。(ボーナス返済が指定されている場合には、ボーナス時加算額も表示されます。)

返済額の計算には、近似式を利用しています。実際の返済については、金融機関と別途協議する必要があります。

「住宅資金特別条項別紙印刷」ボタンを押すと、ここでシュミレーションした結果に基づき、別紙が印刷できます。