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この章では,破産管財人受任依頼から破産手続開始決定までに行う業務について説明します。

破産管財人受任依頼から破産手続開始決定まで

①裁判所から破産管財人受任を打診される→裁判所において利害関係の確認

  • 債権者一覧表や売掛金一覧・貸付金一覧表を閲覧し,債権者に顧問先や依頼人が含まれていないか点検します。含まれる場合は裁判所の担当書記官に伝え,判断を仰ぎます。

②財産状況報告集会等期日の調整

  • 財産状況報告集会等期日を裁判所との間で決めます。財産状況報告集会と同時にいくつかの集会を開かれます。日程に間に合うように行わなければならないことを確認してから日程を決めてください。

一般的な管財事件の場合は,財産状況報告集会と債権調査期日・任務終了計算報告集会・廃止意見聴取集会が同時に開催されます。財産から財産放棄に対する許可が必要な場合は,財産状況報告集会において,管財人の申請に基づき裁判所が口頭にて行われます。

換価業務や手続が複雑な場合は,財産状況報告集会と債権調査期日は同時に開催されますが,任務終了計算報告集会・廃止意見聴取集会は配当ができるような状況まで延期されます。また,原則として,債権認否は,財産状況報告集会までに終わせます。

③管財業務のポイント確認

  • 大阪地裁では,今後の日程・破産債権に関する訴訟係属等,重点的に調査すべきポイント等が記載されている「管財業務スケジュール」を管財人に配布している。担当書記官から書面を受け取り検討を行います。

④申立代理人との連絡・引継

  • 申立書副本が申立代理人から送られてきます。内容をよく検討し,必要なら申立代理人へ補正・追完を依頼してください。

申立代理人が「サイむ整理くん3」を使っているなら,カンざい整理くん3用に破産者情報をエクスポートしたデータが貰えます。データの受け渡し方法も申立代理人との間で確認してください。一般的にはUSBメモリーを使う方法が便利です。他には,MO・CD-Rを使う方法や電子メールに添付して送る方法があります。

⑤カンざい整理くん3への破産者データの登録

  • 破産手続開始決定後は,いくつかの業務が集中します。事前に申立書副本をみて,カンざい整理くん3に破産者の情報の登録および債権者を登録しておいてください。また,財産目録を登録してください。なお,財団債権は,破産債権とは別に財団債権として登録してください。

サイむ整理くん3でエクスポートしたデータを,カンざい整理くん3でインポートすると,この登録作業を大幅に効率化できます。

⑥売掛金や貸付金のある取引先(債務者)への対応

  • 取引先が破産したと聞くと,手のひらを返したように態度になり,債務の存在を認めなかったり損害金との相殺を主張したりして,売掛金や貸付金の回収に支障が出ることがあります。時間が経過する程回収が困難になります。破産手続開始決定後に請求書&回答書が送付できるように,事前に請求書&回答書を作成しておきます。(この回答書には,相手方が認める債務の額が記載されているので,万一訴訟になった場合の証拠になります。あるいは,相手方の主張を事前に把握できます。)