メンテナンス

親機でのデータ破損を防ぐために,定期的にディスクの検査を行ってください。ここではディスクの検査の方法を説明します。

ディスクの検査

親機に設定しているパソコンでは,定期的にディスクの検査を行ってください。これを行っておけば,データ破損事故を未然に防ぐことができます。

  1. 子機のパソコンは全部終了(電源オフ)にしてから行ってください。
  2. コンピュータを開き,C:ドライブまたはD:ドライブ(サイむ整理くんのデータが入っているドライブ)を右クリックします。メニューが表示されますので,プロパティを選びます。
  3. ツールタブを選び,エラーチェックの所の「チェックする」ボタンを押します。ディスクのチェックダイアログが表示されます。
  4. 「ファイルシステムエラーを自動的に修復する」にチェックを入れて,開始ボタンを押します。(「不良セクターをスキャンし,回復する」には通常チェックを入れません。)
  5. 多くの場合,目的のドライブは現在利用中なので,再起動する時にチェックを行う旨表示されます。パソコンを再起動します。
  6. 背景がブルーの画面で英語の画面が出て,ディスクの検査を開始します。検査が終わると,通常通りWindowsが起動します。

FATとは

ハードディスクの先頭部分には,本で言うところの目次に相当するFAT(ファイル・アロケーション・テーブル)が置かれています。ファイルを読む場合,最初にFATを検索して目的のファイルを探し,目次に書かれているページ(ハードディスクではクラスタと言います)を知らべて,そのクラスタからデータを読み込みます。ファイルが大きなサイズの場合は,1クラスタにはデータが収まらないので,FATには,この順番にクラスタを読め,というようにクラスタ番号が列挙されています。ファイルを保存する場合は,FATからディスクの空き部分を検索します。そして,空きのクラスタにデータを書きこんで,最後にFATを書き換えます。

FATは,頻繁に読み書きされるので,処理速度を上げるために,パソコン起動時にメモリーにFATを読み込みます。そして,FATを操作する代わりに,メモリー上のFATを操作します。空き時間やパソコン終了時に,メモリー上のFATをハードディスクに保存します。

FATが壊れる?

一番多いFATの破損原因は,パソコンの急な電源断です。メモリー上のFATをハードディスクに保存する前に電源が切れてしまいますから。この場合は,WindowsはFAT異常の可能性を検出してパソコン再起動時に自動で検査を行います。これ以外が原因でFATが壊れることがあります。例えば,開いているファイルを削除する(その後ファイルを閉じる)ような操作があった場合です。スタンドアロンの場合はソフトのバグ以外ではこのような操作は発生しませんが,LANの場合は使い方の問題でFATが壊れることがあります。例えば,LANケーブルが接触不良を起こして,LANへの接続・切断を繰り返すようなケース,子機が終了する前に親機をシャットダウンする,子機がファイルを開いたままスリープ状態になる・・・。LANが原因でFATが壊れてもWindowsはそれを自動検出しません。

FATが壊れると何が起きる

不幸なことにFATが壊れてもWindowsはそれを検出しません。多くの場合,そのまま使えます。しかし,FATは矛盾が起きた状態なので,このまま使い続けると矛盾が拡大してきます。見覚えのないファイルが作成されたり,昔作ったファイルが開けなくなったりという現象がみられるようになります。さらに矛盾がひどくなると,WordやExcelのような有名なソフトでも(多くの場合ファイル操作のタイミングで)強制終了するような現象が発生します。さらに矛盾が拡大すると,最後にはWindowsのシステムファイルが壊れてしまい,Windowsが正常に起動しなくなります。

ディスクの検査とは

FATの矛盾を検出して,矛盾があったら矛盾のない状態に戻す機能です。ちなみに,ファイルを修復するわけではありません。壊れたしまったファイルはもとに戻りません。ちなみに,「ファイルシステムエラーを自動的に修復する」は,昔のWindowsでは「FATエラーを自動的に修復する」となっていました。FATという用語をファイルシステムと超訳(誤訳)したようです。

ディスクの検査にある「不良セクターをスキャンし,回復する」オプションは,ディスクの磁性体の検査です(ハードディスクの最小の管理単位がセクタです。いくつかのセクタをまとめてひとつのクラスタにしています)。ディスクの同じ場所に書き込む操作を繰り返すと徐々に磁性体が劣化します。劣化した磁性体部分を検出するのがこのオプションです。通常は,これを行う必要はありません。ハードディスク側でも磁性体の劣化は監視しており,劣化が見つかると代替部分を使うように作られているからです。不良セクターのスキャンは長時間ハードディスクをアクセスしてしまい,熱が原因で逆にハードディスクの劣化を早める可能性があります。

壊れないようにハードディスクを使う

ハードディスクを長持ちさせるコツは,空き容量を十分作っておくことです。空き容量が少ないと,磁性体の同じ場所を頻繁にアクセスすることになり,ディスクの劣化を早めてしまいます。また,仮想記憶(ハードディスクをメモリーの一部として使う)もできるだけ発生しないようにするために,パソコンの搭載メモリーも多くすべきです。最後に,パソコンが熱くならないようにするために,ファン周辺に物を置かない,定期的に清掃してホコリなどを取り除くことが大切です。