定義ファイル

定義ファイルとは

賃貸整理くんSEでは,生成される文書の元になる文書を,雛形文書(テンプレート)と呼んでいます。ひな形文書として,Word文書やExcel文書が使えます。特殊な置き換えを実行した場合や,賃貸整理くんSEの置き換えの細かな指示を行いたい場合があります。この追加された置き換え情報を記述するのが,定義ファイルです。いいかえると,雛形文書の補足情報が記述されているのが定義ファイルです。定義ファイルは,拡張子が.txtのテキストファイルです。賃貸整理くんSEでも編集できますが,ノードパッドなどのテキストが編集できるソフトでも編集することができます。

賃貸整理くんSEの文書生成規則では,ファイル名はひとつしか指定できないため,定義ファイルを使う場合は,賃貸整理くんの文書生成規則には定義ファイルのファイル名を指定し,定義ファイルの中に,利用するひな形文書のファイル名を記述します。なお,賃貸整理くんSE側で,定義ファイルを開くようになっているのに,定義ファイルがない場合は,定義ファイルのファイル名拡張子.TXTを.RTFに変更した雛形文書が開かれます。

定義ファイル・雛形文書とも,賃貸整理くんSEのTemplateフォルダに置きます。(Templateフォルダは,補助メニューのオプションで確認できます。)

書類作成ボタンを押して,書類の選択画面が表示されます。書類選択を行い,定義ファイル編集ボタンを押します。

スクリプトボタンを押して,置き換えに関する様々な指示を賃貸整理くんSEに与えることができます。スクリプトに関しては,この章の後半で説明します。

定義ファイルをテキストエディタで編集する

定義ファイルは,賃貸整理くんSEで操作できるので,直接テキストエディタで開くことはないと思いますが,念のために定義ファイルの構造を説明しておきます。上記の定義ファイルは,ノート帳で開くと次のようになっています。

定義ファイルの編集画面の各入力項目が,“,”(カンマ)で区切られているだけです。

大分類名,書類名,雛形のファイル名,備考,全角変換フラグ,縦文字変換フラグ

定義ファイルは,書類作成ボタンを押したときに開かれる他,紛争処理画面でも利用されます。

大分類名は,この画面の「トラブルの種類」で利用されます。書類名は,「書類一覧」に表示されます。

全角変換フラグと縦文字変換フラグは,スクリプトの#INPUT_STRなどで使われます。

スクリプト

置き換えを人為的に操作する場合に,命令を記述したもの(スクリプト)を使います。スクリプトは,定義ファイルの2行目以降に記述します。

#REPLACE "キーワード", "置き換え後の文字列"

もっとも多く利用される命令です。雛形文書中の任意の文字列を,指定した文字列に置き換えます。

例 #Replace "項目1","物件の月額1の科目"

この例では,雛形文書中の“項目1”を,”物件の月額1の科目”に置き換えます。”物件の月額1の科目”は,賃貸整理くんの置き換え文字列のひとつなので,月額の先頭の項目名「家賃」に置き換わります。契約書などに家賃等の表があり,表の中に月額の項目名を入れたいのですが,”物件の月額1の科目”と記述すると,文字列が長すぎて,表が崩れてしまいます。REPLACE命令を使えば,表の置き換え文字列を短く記述させることができます。

注意)置き換えは,スクリプトのREPLACEが先の実行され,その後,賃貸整理くんの置換文字列による置き換えが行われます。

注意)スクリプトは,英字の半角文字です。全角文字は使えません。大文字小文字は区別しません(Replaceと書いても,replaceと書いても,REPLACEと書いても有効です。)

#INPUT_STR "キーワード", "入力ダイアログのプロンプト", "初期値"

文書を開く前に,文字列の入力ダイアログが表示されます。

例 #INPUT_STR "連絡文", "連絡文を入力してください", "至急,当社まで連絡をください"

初期値は,“|”で区切って,複数指定することができます。複数指定すると,入力欄は,コンボボックススタイルになり,コンボボックスのボタンを押すと,候補から選択できるようになります。

例 #INPUT_STR "連絡期限", "いつまでの連絡をもらいますか", "今週末|来週一杯"

#INPUT_NUM "キーワード", "プロンプト", "初期値"

数値を入力するダイアログが表示されます。初期値は,複数指定はありません。

#SELECT "キーワード","プロンプト","初期値1|初期値2|初期値3..."

コンボボックス(選択のみ)を表示します。#INPUT_STRの複数候補選択の場合は,選択肢にない場合は,任意に入力できますが,#SELECTの場合は,候補の中からしか選択できません。

#SEL_REPLACE "キーワード","プロンプト","選択","置換前文字列","置換後文字列"...

複雑な置き換えです。説明が難しいので,必要な場合は,サポート係りに問い合わせてください。たとえば,選択が回答1と回答2の二つがあり,回答1を選んだ場合は,雛形文書中のXXXをYYYY(長い文書の場合あり)に置き換え,回答2を選んだ場合は,ZZZZに置き換えるというような使い方です。

#MULTI "キーワード","プロンプト","候補1|候補2|候補3..."

複数選択可能なリストボックスを表示します。

#TERM "開始日","終了日"

集計期間を入力するダイアログが表示されます。置き換えは行われず,置換文字列「集計の・・・」の集計期間を変更する場合に使います。

#TABLEOPTION "オプション"

EXCELで作った雛形文書で,表形式の置き換えを出力する場合に,オプションで挙動を細かく指定します。

オプション 意味
L 左端の列を出力しません(つまり,雛形側に表の左側を入れた状態で置換を行います。
T 一番上の行を出力しません。つまり,雛形側に表の上部を入れた状態で置換を行います。
R 右端の列を出力しません。
B 一番下の行を出力しません。通常,一番下は,合計欄です。
C 列幅を変更しません。雛形文書側の列幅が使われます。
K 罫線を出力しません。雛形文書側の罫線指定を使います。

例 #TABLEOPTION "L","T","R","B"